地に足が付く。
堅実な印象や、落ち着いている感じ。しっかりとしていて、現実を見ている感じのイメージだが、まず初めに自分は今落ち着いてはいない。
いや、落ち着いてはいない訳では無いのかもしれない。そわそわ感というか、恐怖感、苦しい感じ、なんと言うか、うつ病の症状としては非常に悪い状態にあると思う。
だけど、なんか落ち着いているというか、文字通り足が地についている感じがする。
良い事なのか、悪い事なのかは分からない。
普通は良い時に使う言葉なのだろうが、逆に言えば、背伸びして色々夢見たりしていないともいえる。
それに現在、自分はうつ病で、足を地につけてしまったら、景色がもう真っ暗だ。お先真っ暗とはよく聞くが、先どころか後も横もどっちに行こうが真っ暗。何にもできる気はしない。
だけど、なんだかよく分からないけど、あまり悪い気はしていない。
確かに何もできない。
勉強どころか考える事もままならないし、動けないどころか、動こうとすら思えない。
親のおかげで何とか生きては行けているが、ただ寝て食べて洗う。それだけで精一杯だ。
だから普通に考えれば悪いのだろうが、何故かそんな感じはしていないのだ。
ただ何もできないだけ。そういう風に捉えている。
不思議と言えば不思議な感覚だ。8年この病気と付き合ってきたが、初めての感覚かもしれない。
何かしなきゃ、学校行かなきゃ、課題しなきゃ、外でなきゃ、運動しなきゃ、どれだけそういった焦りや不安に繋がる可能性のあるものを考えないようにと思っても出来なかったのに、今は何もしていないのに何も考えていない。
それ以上に考えなさすぎなのかもしれないが、出来ているともいえる。
別に治ることを、社会に戻ることを諦めたわけでは無いとは思うが、今はしたいことも、しないといけないと思う事も無い。
ただただ生きているだけだ。
だけど、ただ生きているだけと言う事に嫌な感じもしていない。
ただしんどいだけ、ただ何も出来ないだけ。
だから何もしない。ただ生きている。
そういう状態だ。
無欲というか、無気力というか、そういった言葉が近いのかもしれない。
だから、見えている世界が真っ暗になっても怖くない。ただ真っ暗なだけだから。
今までは普通の生活がしたいとか、楽しいと思いたいとか、この延々続く恐怖感から解放されたいとか、欲というか希望があった。
それは良い事なのかもしれないけど、そう思うことは自分にとっては凄く背伸びをした考えで、全然できないし、出来る気もしないから怖くなったり、不安になっていたのかもしれない。
だからと言って、この状態が良いとは思えないようにも思う。
自分がずっとしたかった休んでいる状態と言えばそうだし、悪くないともいえるとは思うが、もしこれが休んでいる状態で、良い状態なのだと思おうとすると、違和感を覚える。
こんな無気力で、ただ生きているだけの人が良い状態。自分が当たり前というか常識に捉われているので、そう思えないだけなのかもしれないが、何かが違う気がしてしまう。
自分自身、今の状態を別に悪いとも思ってないので、本人がそうなら良いとしても良いような気がするが、これを休んでいる状態というのであれば、休むことをお勧めしてくる人の気持ちが分からなくなるし、自分はこの先うつ病の人に休んでとは言えない。
しんどいのはしんどいので変わらないからだ。
焦りや不安は無くなっていない。これをしないととか、これが嫌だとか具体的な内容は無いが、元々の不安感や恐怖感はすべて内容があってのことでは無かった。
何とも言えないこの気持ちは無気力になっても消えない。
ただしんどいだけと、自分の捉え方、考え方が変化しているだけで、しんどさはある。
むしろ、今は自分は調子が悪い時なのでそうなのかもしれないが、そういった気持ちは強い。
でも、外的要因によって揺れることは減ったかもしれない。
どんなことが起きても、「へー」という感じで、何事にも興味や関心が無い。
だから感情的になることも、嬉しく思うことも、悲しく思うことも、焦ることも、ゆったりすることも無い。
本当に無になってしまったかのようだ。
何が起きても、ただ何かが起きただけ。
良くも悪くもそうしか感じられない。
不安要素を取り除こうとしたからこうなったのか、こうなれたのか。
そういったことは関係なく、ただ、今こう言う状態なのか。なにも分からない。
一時的なものなのか、数か月数年こういう期間があるのか、一生こうなのか、それも分からない。
分からないことだらけだけど、それすらも今はもうどうでも良い。
どうでも良い
本当にすべてがどうでもいい
また何かあれば書く事があるかもしれないが、今はこれ以上は考えられないみたいだ。
良いか悪いか分からないが、どうにもしようが無いのもあるし、ただ生きてみようと思う。
どうでも良いけど。