今週のお題「怖い話」
こういうのもあるんですね。こういうのに乗っかるのは結構好きなので乗っかってみます笑
大学生のころ、多分みんなが少しずつ車を持ち出したからというのが大きい理由だと思うが、心霊スポットに行くことが流行ったことがあった。
そんなある日ある友達グループが、ちょっと地元でも有名な廃トンネルに行くという話を聞いた。
そのころ、自分はそこまで詳しいほどではなかったが、そのトンネルには行ったこどがあったのと、たまたま話す機会があったので、本当に真っ暗だから、懐中電灯を持って行ったほうが楽しめると思うよ、とアドバイスをしておいた。
次の日、学校に行くとものすごい落ち込んだ顔をした人たちがいた。
トンネルに行くと言ってたグループだ。
話を聞くと、そのトンネルに行って照らしながら歩いていたら、入り口の入ってすぐの所で、まだ乾ききっていない血のようなものが床についていたらしい。
それから飛ぶように帰ってきて、みんな怖くて一睡もできてない。と言う。
話を聞いただけでは怖さが伝わらないと思うが、実際真っ暗な、使われていないはずのトンネルの床が赤くて、近づいたら血だと気付いた時のことを考えると、本当に恐ろしかったと思う。
アドバイスをしなければ見えなかっただろうし、こんなことにはならなかった、、
ここでちょっと裏話
でも、その時、自分は笑いがこらえきれないくらい、笑いそうになっていた。
(実際「笑い事じゃないから」と少し怒られたが、、)
こうなったのには訳があって、実は自分がそのトンネルに行ったのは、その前日の話だった。
後輩マネージャーが心霊スポットに行きたいと言ってる、というのもあって、先輩と一緒にそのトンネルに行ったのだ。
トンネルに着き、取り合えず何も考えないで中を通ったのだが、行きは本当に暗くて、目の前に手を持ってきても見えないくらい暗かった。
怖がっている人もいなかったが、その不思議な感覚が楽しいという気持ちが大きかったと思う。
でも、そうなると困る。怖がってもらわないと、この不思議体験がしたくてここに来たわけじゃない。わざわざ連れてきたのに変な感じで終わってしまう、、
向こう側について、作戦会議が始まった。
その時、後輩マネ3俺たちの代3先輩3の構成だったのもあって、安直ではあるが、イケメンの先輩と後輩をペアにし、俺たち3人が驚かすことになった。
最初の一人がここにすると止まり、途中でもう一人が止まった。
いつの間にか自分がトリだった。
どうしようか考えながら一人で歩いてた時、2人目と別れてすぐの所で目の前の光が急に大きくなった。
出口だ!
基本的に遠くに見える薄明るい穴が出口付近になると急激に大きくなるのだ。
相当焦った。2人目と別れてすぐなのに、もうそこは出口だった。
やばいな、伝えに行ったほうがいいかな、と悩む間もなく声が聞こえた。
「わああああああああああああああ」
「きゃあああああああああああ」
もう驚く側がスタートしてたのだ。
そして一人目は大声を選択したらしい。ということに気づいた。
やっぱりこういう所ずるいやつだ。一人目で王道の大声。これなら無難にこなせる。絶対に失敗しないのだ。
でもそんなこと考えてる時間はなかった。もうすぐ来る。どうするか、それで頭がいっぱいだった。
頭をフル回転させた。ここはトンネル、隠れる場所はない。それにすぐそこが出口、目が慣れていればちょっとは見える。。。。
そこで閃いた。
見えるなら逆に利用すればいい。
見えるといってもわずかだし、目線に入らなきゃ分からない。
ちょっと明るいくらいのところに行って、しゃがんで待てば、向こうよりも早く気づける。しかもこの方法は3番目の特権。
絶対に2番目とはかぶらない。
ここでホッとして、ちょうど良さそうなところを探してしゃがんだ。
その時、誰かの大きな足音が聞こえた。
近づいてきた感じではなかった。大きな音という感じだ。
そのあと、叫び声と一緒に足音が大きくなっていった。
どうやら2番目は後ろから追いかけるという方法を選んだらしい。
なかなかいい案だ。とっさに考えたにしてはよく出来てる。
この時、自分は軽く考えてた。
おーいいやん。こっちは見えた瞬間立って驚かそ。ってな具合に、、
甘かった。非常に甘かった。
ちゃんと考えられてたとしても、対応できてたかどうかは分からないが、あの時自分は完全に安心しきっていた。
足音が大きくなったなー。と思ってた次の瞬間ぐらいだ。自分の顔面に誰かの膝がめり込んだ。
一瞬頭が真っ白になった。
完全に油断してた。
そらそうだ。2番目と自分の距離はたかだか10mほど、しかも2番目は追いかけるわけだから、一度抜かれなければならない。
大きな足音が聞こえた時にはもう数mしか無いのだ。
それに追いかけられれば走って逃げるだろう。
普通に考えれば予測できた。でも安心しきってた自分には無理だった。
完全に膝が入った自分は吹き飛んで、思いっきり怪我した。
相手が無傷だったのと、膝が先輩ではなく後輩のものだったのが不幸中の幸いだ。
特に骨折とかそういう大きなものではなく、ただの流血だったので持っていた水をみんなに分けてもらい、傷口を流し、タオルで縛ってその日は帰った。
怪我はしたものの、ハプニング込みでなかなか面白い体験だった。みんなも楽しそうだったし、僕たちにとって、このイベントは成功だった。
もう気づかれただろうが、最初に書いたトンネルで血を見て怖がってたグループ。この人たちは、僕の血を見て怖がっていたのだ。
(もしかしたら僕以外の、、それを考えると怖いので辞めておくが)
だからその話を聞いた時、おかしくて笑いを堪えきれなかった。
怖い話や心霊スポットは世の中にごまんとある。これだけあるなら、本当のものが全くないと思うのは流石に無理があるのかなとも思う。
だがしかし、こういった奇跡的な偶然を経て、それが大きくなって伝わっているものも多いのだろう。
そういったことはなんとなくわかっていたが、まさにその瞬間に立ち会えることは少ないだろうし、立ち会えたこの体験はすごく面白いものがあった。
(そのグループには3日ほど黙って楽しんでから種明かしはしたが、あの時の顔は今でも忘れられない。)
最後に
自分がやってて人に注意するのはおかしな話なのだが、こういった肝試しをする際は万全の注意をしてほしい。
廃墟に不法侵入したりするのは犯罪だし、トンネルでも構造上不安定だったり、壊れて使えなくなった所は危険がある。
おばけの怖さなら何も言わないが、迷惑になることはやらないでほしい。
恐怖話、心霊体験、好きな人は本当に好きな分野で、面白いとは思う。
くれぐれも迷惑にならないよう楽しんでもらえればと思う。